10月の展覧会の打ち合わせのため栃木県那珂川町(旧・馬頭町)の渡辺豊重先生宅へ行ってきました。元々、川崎市に在住されていたのですが、20年前にこの地へ移ったとのこと制作の合い間に畑仕事をしながらという贅沢な生活である。
今年、80歳の渡辺豊重先生は日本の現代美術ではトップである。昨年(2010年)、神奈川県立近代美術館で開催された「鬼と遊ぶー渡辺豊重展」は好評であった。今までの作風から一転して「鬼」をテーマにしたものでした。「鬼」は画家自身のさまざまな感情が凝縮されて生まれた社会への反発のかたち、生命力の激しさのかたち。であると言う。
今回の展覧会はこの「鬼」のイメージを残しながらもっと進化した作品になりそうです。昨年の激しさから少しおだやかな変わり様でもある。
相変わらず作家のアトリエは画材のアクリル絵の具などが散乱。当然、スリッパなしではアトリエに足を踏み入れることは出来ないのである。
丁度、お昼時になり、蕎麦屋へ先生に案内していただく。田圃の中にある1軒。これが蕎麦屋?
この蕎麦屋の前に那珂川の支流になる川が流れており。鮎のやな場があった。
台風による数日の雨が川を濁らせ、鮎をやなに確認することが出来なかったのが残念。
その鮎のやなをそのまま屋号にしてしまったのがこの蕎麦屋である。
この時期は周囲の田圃からの風が爽やかであり、冷たい蕎麦にもぴったり、しかし冬はどうであろうか、この建物ですから、きっと炬燵でも置いて熱い蕎麦を食するのも風情と言うのかもしれませんね。でも寒そうですね。
さて、肝心の蕎麦ですが、この周辺は蕎麦畑が多いそうです。ここから茨城の大子町まで30分足らずで行ける。大子といえばあの伝説の常陸秋蕎麦種で有名な金砂郷地区です。したがってこの周辺は当然、レベルが高いと期待。結果、普通よりレベルが少しましかな。でも天麩羅の野菜、山菜類はこの地で採れたもの、蕎麦を含めて全部、地産地消。この田圃の中の1件の蕎麦屋という景色をプラスすると、また行きたくなる蕎麦屋でもあった。でも一人では行けない、案内人がいなければ絶対に行けない蕎麦屋でしょうか。