今日は大晦日、今年一年を振り返ってみますと、一つだけ自慢出来るものがありました。話そうかどうか迷ったのですが、明日からは新年になるのだから自慢してしまえ!というわけです。
それは、私の知人(絵のコレクター)が亡くなられ、遺族の方の依頼により美術品の整理を手伝った際に発見した挿し絵の数々。スクラップのファイルに納められていたのですが、当初、遺族の方は破棄しようとしてましたので私が調べるということでお預かりしました。
1923年、大阪で創刊された大衆小説雑誌「苦楽」、今となっては幻と言われているプラトン社が版元であったが昭和の初めに廃刊となった。
昭和46年、大仏次郎はその誌名を受け継いで東京・京橋で出版社を立ち上げて復刊した。表紙は鏑木清方に毎号描いてもらいカラーで印刷。執筆者も大仏次郎、白井喬二、志賀直哉、丹羽文雄、高浜虚子など質の高い雑誌であった。青少年向け雑誌「天馬」なども併せて刊行したが、3年余りでいろいろな事情により廃刊となってしまった。
下記の挿し絵は東京で復刊した「苦楽」の雑誌のものであり、全部で59点ありました。早速、横浜の「大仏次郎記念館」へ連絡し、遺族より寄贈することが決まりました。
これは今年の6月頃の話で当時、朝日新聞の文化欄に「大仏次郎が復刊した雑誌「苦楽」の挿画の原画、見つかる」という見出しで結構大きく取り上げられ記事になりました。勿論、筆者の名前も発見者ということで紹介されておりました。
その一部ですが挿し絵の作者と図版を紹介いたします。
伊勢正義
宮田重夫
三岸節子
生沢 朗
中西利夫
鈴木信太郎
という自慢話でした。2014年が明るく元気な年になりますように。